外務省は、ジャリル・スルタノフ日本人抑留者記念館館長に対し、平成27年度外務大臣表彰を行なうことを決定しました。外務大臣表彰は、日本と外国との友好親善関係の増進に対し、特に顕著な功績のあった個人又は団体について、その功績を称えるものです。
第二次世界大戦終結後、ソ連軍に抑留された日本人約25,000名が極東から当時のソ連ウズベク共和国にも移送され、各地で強制労働に従事させられました。過酷な労働により抑留中になくなった方は812名にのぼり、ウズベキスタン各地の日本人墓地に埋葬されています。
スルタノフ氏は、1991年にウズベキスタンが独立したのを機に、日本人ゆかりの収容所や墓地などの資料や証言を収集し、1998年、タシケントの日本人墓地近くにあるご子息宅の敷地に、私財を投じて「日本人抑留者記念館」を開館しました。館内には、抑留当時の写真や資料のみならず、抑留者が現地の人に贈った手作りのゆりかごや肖像画など、抑留された日本人と当時のウズベク市民の交流を物語る貴重な品々が展示されています。また、展示と並行して、抑留者の生活を描いたドキュメンタリー映像を自ら制作し上映するなどの活動を行なっています。
スルタノフ氏のこうした活動は、歴史の記憶を語り継ぐとともに、現在に至る日本とウズベキスタンの絆を示すことによって、両国の友好関係増進及び両国民の相互理解の深化に大きく貢献しています。
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